1. ノーコード開発とは
- プログラミング言語を直接書かずに、GUIベースのツールでアプリ・システムを開発する手法
- ビジネスユーザーや非エンジニアがアプリを開発可能
- 業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に寄与
- 従来の開発手法と比べて、
- 専門エンジニアが不要
- 開発スピード・コスト削減が期待できる
2. ノーコード開発のメリット・デメリット
メリット
- 専門知識が不要
→ GUI操作のみで開発可能 - 開発・運用コストの削減
→ エンジニア人件費や工期を圧縮 - 迅速な開発スピード
→ コードを書かずに短期でリリース
デメリット
- 自由度・拡張性の制限
→ 複雑な要件には対応しにくい場合あり - プラットフォーム依存度の高さ
→ ツールの仕様変更やサービス終了の影響を受けやすい - セキュリティリスク
→ ツール側のセキュリティ対策に依存
3. 海外と日本におけるノーコード市場規模
海外
- Forrester Researchによると、ローコード/ノーコード市場は2021年の約138億ドルから、2026年には455億ドルに成長見込み
- 「Bubble」などのツールが大規模投資を獲得し、市場拡大を牽引
- Gartnerの予測では、2024年にはアプリ開発の65%がローコード/ノーコードで行われると推定
日本
- IDC Japanによると、2023年の国内ローコード/ノーコード市場は1,225億円、2028年には2,701億円まで拡大見込み
- ITRの調査では、2022年度のローコード/ノーコード開発市場は前年度比16.0%増の709億円
- IT人材不足やDX推進を背景に、中小企業・スタートアップを中心に需要拡大
4. ノーコード市場の今後の展望
海外
- AI・IoTとの連携強化
→ より高度なアプリ開発が容易に - プラットフォーム機能拡充&セキュリティ強化
→ 企業利用が広がり市場成長を後押し
日本
- IT人材不足の解消・DX推進ツールとして注目
- 市民開発(Citizen Development)の広がり
→ 非IT部門が自らアプリを開発、業務ニーズに合致したシステムを内製化 - 政府のDX推進政策やIT投資拡大が市場成長をサポート
5. 海外・日本で人気のノーコードツール
ツール名 | 国 | 主な特徴 | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|---|
Bubble | 海外 | Webアプリ開発プラットフォーム | プラグイン豊富、高い自由度 | 英語ドキュメントが多い |
Webflow | 海外 | レスポンシブWebサイト制作 | プロフェッショナルなデザイン可能 | 高度機能は有料プラン |
Wix | 海外 | Webサイト簡単構築 | 日本語対応、豊富なテンプレート | カスタマイズに制限がある場合 |
Yappli | 国内 | スマホアプリをノーコードで開発 | 操作簡単、日本語対応 | カスタマイズ性に制限 |
studio | 国内 | Webサイト・LP制作ツール | 視覚的操作、多言語対応 | 機能が限定的 |
ASTERIA Warp | 国内 | データ連携特化ツール | 複雑なデータ連携をアイコンで構築 | 価格帯によっては導入ハードル高い |
Platio | 国内 | 業務管理アプリ作成 | 初期費用0円、豊富なテンプレート | 特定領域に強いが汎用性は要確認 |
※ ご利用シーンや予算・必要機能に応じて最適なツールを選択するのがポイントです。
6. ノーコードツールの具体的利用シーン
- Webサイト・アプリ制作
- 企業サイト、LP、社内ポータル等の開発
- ECサイト構築
- Shopify や BASE でオンライン販売を簡単に開始
- 業務効率化アプリ
- 日報作成、在庫管理、顧客管理、RPAなど
- 例:Bubbleを活用したeラーニングサービス「Beelango」(10万人以上のユーザー、3,500万円以上の売上)
7. ノーコードの最新トレンド
- AIとの連携・生成AIの活用
- コード自動生成やデザイン自動提案
- 自然言語の指示でアプリを生成する機能の進化
- モバイルアプリ開発の高度化
- React Nativeベースのノーコードツールで高品質アプリを容易に作成
- IoTシステムとの連携
- センサーデータの収集・分析、デバイス制御をノーコードで実装
8. ノーコード開発の将来性と社会への影響
- IT人材不足の解消
- ノーコードで未経験者でも開発に参入しやすい
- 企業の競争力強化・イノベーション創出
- 開発速度とコスト削減により新規サービスやプロトタイプの素早い実現
- 課題
- 信頼性・セキュリティ面の懸念
- 日本語対応ツールの少なさ
- 機能拡張範囲の制限
→ これらを克服することで、社会的インパクトはさらに拡大
まとめ
- ノーコード開発は、プログラミング知識がなくてもアプリやシステムを開発できる新たな潮流
- 海外・日本ともに市場は急成長しており、IT人材不足やDX推進を背景に導入が拡大
- ツール選定・セキュリティ強化・日本語対応などの課題をクリアすれば、より幅広い分野に普及し、社会とビジネスを大きく変革する可能性を秘めている
ノーコード開発は今まさに大きく発展を続けており、AI・IoTと連動しながらさらなる進化を遂げていくでしょう。企業や個人がこの波をうまく活用することで、新たなビジネスチャンスやイノベーションが生まれることが期待されます。
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