こんにちは!今回は、多くの人が気になっているノーコードツールBubbleのセキュリティについて詳しく解説していきます。Bubbleは本当に安全なのか?どんな対策がされているのか?開発者として何に気をつけるべきか?これらの疑問に徹底的にお答えしていきます。
株式会社Spovisorではノーコード・ローコードツールを使ったシステム開発、アプリ開発を実施しています。
要件定義から伴走して支援し、安価・スピーディー・柔軟な開発を行います。無料でご相談もお受けしております。
1. はじめに:Bubbleのセキュリティ概要
Bubbleのセキュリティは、一般的に強いと評価されています。その理由は以下の通りです:
- プラットフォーム自体が強力なバックエンドセキュリティ対策を施しています。
- SOC 2やGDPRといった国際的な基準に準拠しています。
- AWSやCloudflareなど、信頼性の高いサービスを活用しています。
- DDoS保護や脆弱性テスト、侵入テストなど、多層的なセキュリティ対策を実施しています。
- 最新の暗号化技術を使用しています。
しかし、注意すべき点もあります。Bubbleで開発されたアプリの89%に少なくとも1つのセキュリティの脆弱性が存在しているという報告があります。これは主に開発者のセキュリティ知識不足が原因とされています。
2. Bubbleのセキュリティ対策の詳細
Bubbleは以下のような具体的なセキュリティ対策を行っています:
2.1 SOC 2 Type II認証
SOC 2は、サービス組織の情報セキュリティに関する監査基準です。Bubbleはこの認証を取得しており、以下の点が保証されています:
- セキュリティ:システムが不正アクセスから保護されていること
- 可用性:システムが契約上の義務を果たすために利用可能であること
- 処理の完全性:システムの処理が完全、正確、タイムリー、かつ承認されていること
- 機密保持:機密情報が保護されていること
- プライバシー:個人情報が収集、使用、保持、開示、破棄されることについて規定されていること
2.2 GDPR(欧州一般データ保護規則)準拠
GDPRは欧州連合(EU)の個人データ保護法です。Bubbleは以下の点でGDPRに準拠しています:
- データの最小化:必要最小限のデータのみを収集
- 目的の制限:特定の目的のためにのみデータを使用
- ストレージの制限:必要以上に長くデータを保持しない
- 個人の権利の尊重:データアクセス、訂正、削除の権利を保障
2.3 AWSの活用
Bubbleは、Amazon Web Services(AWS)を利用しています。AWSの主な利点は:
- 高度なセキュリティインフラ
- 自動バックアップと災害復旧
- スケーラビリティと高可用性
- コンプライアンス認証(PCI DSS、HIPAA、FedRAMPなど)
2.4 Cloudflareとの連携によるDDoS保護
Cloudflareとのパートナーシップにより、以下のような保護を実現しています:
- 大規模DDoS攻撃の緩和
- WAF(Web Application Firewall)による保護
- ボットの検出と防御
- SSL/TLS暗号化
2.5 高度な暗号化技術
BubbleはTLS(Transport Layer Security)とRDS AES-256暗号化を使用しています:
- TLS:データ転送時の暗号化
- RDS AES-256:保存データの暗号化(AWS RDSを使用)
3. 開発者の役割と責任
Bubbleのセキュリティ機能を最大限に活用するためには、開発者の役割が重要です:
3.1 セキュリティ知識の習得
- OWASP Top 10など、Webアプリケーションセキュリティの基礎を学ぶ
- Bubble特有のセキュリティ機能や設定について理解を深める
3.2 適切なプライバシールールの設定
- データベース設計時に、各フィールドのアクセス権限を慎重に検討する
- 「最小権限の原則」に基づいて設定を行う
例:ユーザープロファイルの設定
- 公開プロファイル情報:全ユーザーに読み取り権限
- メールアドレス:本人のみに読み取り/書き込み権限
- パスワードハッシュ:システムのみアクセス可能
3.3 クライアントサイドとサーバーサイドのセキュリティ
- クライアントサイドで行われる処理は、ユーザーによる改ざんが可能であることを理解する
- 重要な処理や検証はサーバーサイド(Bubbleのバックエンド)で行う
例:ポイント付与の処理
悪い例(クライアントサイド):
ユーザーがボタンをクリックしたら、直接ポイントを加算
良い例(サーバーサイド):
ユーザーがボタンをクリックしたら、サーバーサイドでポイント付与の条件をチェックしてから加算
3.4 定期的なセキュリティ監査
- Bubbleの組み込み機能を使用して、定期的にアプリのセキュリティをチェック
- 外部の専門家によるセキュリティ監査を検討
3.5 継続的な学習とトレーニング
- Bubbleの公式ドキュメントやフォーラムを定期的にチェック
- セキュリティに関するウェビナーやオンラインコースに参加
4. Bubbleアプリの脆弱性事例と対策
4.1 公開エディターの問題
問題点:11.2%のアプリが公開エディターの脆弱性を抱えています。
対策:
- アプリのエディター設定を非公開に設定する
- 開発環境と本番環境を分離する
4.2 代理店開発のリスク
問題点:代理店が開発したアプリは、個人開発よりも37%高いセキュリティリスクがあるとされています。
対策:
- 代理店の選定時にセキュリティへの取り組みを確認する
- 契約書にセキュリティ要件を明記する
- 開発過程で定期的なセキュリティレビューを行う
4.3 データ漏洩の可能性
問題点:適切な設定がされていないと、誰でもデータにアクセスできる状態になる可能性があります。
対策:
- プライバシールールを厳密に設定する
- API露出度をチェックし、必要最小限に抑える
- センシティブなデータは暗号化して保存する
5. プライバシールールの重要性と設定例
プライバシールールは、Bubbleでのデータ保護において非常に重要です:
5.1 基本的な考え方
- デフォルトではアクセスを制限し、必要な場合のみ許可する
- ユーザーの役割(ロール)に基づいてアクセス権限を設定する
- 時間経過や条件変更によるアクセス権限の変更を考慮する
5.2 設定例:オンラインショップアプリ
商品情報:
- 読み取り:全ユーザー
注文情報:
- 読み取り:該当ユーザーと管理者のみ
ユーザープロファイル:
- 読み取り:公開情報は全ユーザー、個人情報は本人のみ
6. Bubble開発を外注する際の注意点と確認事項
Bubble開発を外部に依頼する場合は、以下の点に特に注意しましょう:
- 技術力と信頼性の確認
- Bubbleの認定資格を持っているか
- セキュリティに関する知識やトレーニングを受けているか
- 過去の実績調査
- 類似プロジェクトの経験があるか
- 過去のプロジェクトでセキュリティ問題が発生していないか
- コミュニケーション能力
- 技術的な説明をわかりやすくできるか
- セキュリティ上の懸念事項を適切に伝えられるか
- 情報発信の確認
- ブログやSNSでBubbleやセキュリティに関する情報を発信しているか
- 最新のトレンドや脆弱性情報を把握しているか
- セキュリティへの取り組み
- セキュリティポリシーや対策についての文書化されたプロセスがあるか
- 定期的なセキュリティ監査を行っているか
- 契約とNDA
- 秘密保持契約(NDA)を結ぶ準備があるか
- セキュリティ要件を契約書に明記できるか
- アフターサポート
- セキュリティアップデートや脆弱性対応のサポート体制があるか
- インシデント発生時の対応プランがあるか
7. まとめ:Bubbleのセキュリティを最大限に活用するには
Bubbleは強力なセキュリティ機能を備えたノーコードツールですが、完全に安全というわけではありません。プラットフォームのセキュリティと開発者の知識・スキルの両方が重要です。
以下の点に注意することで、Bubbleを使用して安全で信頼性の高いアプリケーションを構築することができます:
- Bubbleの提供するセキュリティ機能を十分に理解し、適切に設定する
- プライバシールールを慎重に設定し、定期的に見直す
- クライアントサイドとサーバーサイドのセキュリティの違いを理解し、適切に実装する
- 定期的なセキュリティ監査と脆弱性チェックを行う
- セキュリティに関する最新情報を常にキャッチアップする
- 外注する場合は、信頼できるパートナーを慎重に選択する
Bubbleを使用する際は、プラットフォームが提供するセキュリティ機能を最大限に活用しつつ、開発者としても継続的にセキュリティについて学び、適切な設定を行うことが大切です。そうすることで、ノーコード開発の利点を活かしながら、安全で信頼性の高いアプリケーションを作成することができるでしょう。
セキュリティは常に進化し続ける分野です。Bubbleの開発者コミュニティに参加し、他の開発者と情報交換を行うことも、セキュリティ知識を最新に保つ良い方法です。安全なアプリケーション開発を心がけ、ユーザーの信頼を獲得していきましょう。
株式会社Spovisorではノーコード・ローコードツールを使ったシステム開発、アプリ開発を実施しています。
要件定義から伴走して支援し、安価・スピーディー・柔軟な開発を行います。無料でご相談もお受けしております。